■ 理念と目的
全国日本修験道保存協会の目的と理念
全国日本修験道保存協会は、飛鳥・奈良時代より役行者(役小角)によって開かれ、日本の風土と精神の根幹をなしてきた「修験道」の伝統・行法・文化遺産を正しく維持・継承し、その尊い教えを現代社会に活かすことを目指して設立された組織です。
神道、仏教(主に密教)、陰陽道、道教などが融合した日本独自の山岳信仰である修験道は、大自然の霊山に身を置き、過酷な修行を通じて霊験(神仏の不可思議な力)を体得し、その力をもって世の人々を救う「自利利他・実修実践」を旨としています。
全国日本修験道保存協会は、この伝統の灯を絶やすことなく未来へ繋ぐとともに、現代人が抱える精神的課題や自然との対立に道筋を示すことを目指しています。
1. 設立の目的
全国日本修験道保存協会の目的は、単に歴史的な遺物や儀礼を「形式」として保管することにとどまりません。
修験道という「生きている伝統」を総合的に保全・振興し、現代社会の安寧と人々の心の救済に寄与することにあります。
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有形・無形の修験文化の保全 明治期の修験道廃止令や近現代の過疎化・都市化によって散逸の危機に瀕した全国各地の霊山、修験古道(奥駈道など)、古文書、装束、法具の調査・維持管理・保護を行います。
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伝統行法と修行道の継承 正統な作法に基づいた入峰修行、滝行、護摩供養などの行法を厳修し、古代より口伝や身体知として伝えられてきた「行(ぎょう)」の文化覚書と実践体系を守り伝えます。
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後継者の育成と門戸の開放 志を持つ修行者(山伏・修験者)の育成・指導体制を確立するとともに、広く一般の参禅・体験修行の機会を設け、時代に即した形で修験道の教えをひらく場を提供します。
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霊場・寺社間の連携強化 宗派や地域の枠組みを超え、全国の修験系寺社や霊場、保存団体が一体となって協力し合えるネットワークと基盤を築きます。
2. 根本となる理念
当全国日本修験道保存協会が掲げる理念の核心は、「自然と人間の調和」「身体を通じた真理の体得」「他者と社会への貢献」の3つに集約されます。
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「自然即仏(神)」と環境共生の精神 山川草木すべてに神仏が宿ると捉え、山々を生命の母体として仰ぎます。人間を自然の支配者ではなく「自然の一部」と位置づけ、大自然への深い敬意と感謝の心を養うことを理念の第一とします。この精神は、現代の環境破壊や人間中心主義に対する強力な精神的処方箋となります。
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「実修実践(じっしゅうじっせん)」の重視 修験道は理論や学問としての言葉ではなく、自らの身体を使って汗を流し、寒暑や険路に耐える「身体的体感」の中にのみ真理を見出す教えです。知識にとどまらない「体験を通じた自己改革」を重んじます。
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「擬死再生(ぎしさいせい)」と心の蘇生 山に入ることを「一度死ぬこと」に見立て、過酷な修行を経て下山することを「新しく生まれ変わること」とする修験独自のプロセスを通じ、エゴや執着を削ぎ落とします。日常のストレスや迷いに苛まれる現代人の魂を浄化し、生きるエネルギーを再装填する「心の蘇生」を追求します。
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「自利利他(じりりた)」の精神 山で得た霊験や悟りは、自分一人の満足のためではなく、社会の平和、病苦の平癒、人々の幸福のために還元されなければなりません。「修行で培った力を他者のために使う」ことこそが修験道の最終目的であり、協会のすべての活動の根底に流れる精神です。
全国日本修験道保存協会は、古代から受け継がれた先達の知恵と祈りを現代の希望として再解釈し、人と自然、人と人、そして人と神仏を再び結びつける架け橋として、その目的と理念を力強く実践し続けてまいります。




